歴史は直しながら受け継がれる
長い年月をかけて受け継がれてきた建物を、これからも安心して使い続けたい。そんな思いから始まった工事です。江戸時代中期に創業し、伝統の伊勢木綿を日本で唯一つくり続けている臼井織布さんの工場兼事務棟の耐震改修をしました。老朽化によって土台は大きく傷み、柱が沈み込むなど耐震性に不安を抱えていました。しかし、建物は今も事業に欠かせない場所であり、建て替えたり長期間使用を止めたりすることはできませんでした。
「今ある建物を生かしながら、安全性を高める」ことを第一に考え、補強計画を立てました。建物全体の状態を確認し、自ら耐震設計を行ったうえで、建物を少しずつ持ち上げながら傷んだ土台を交換し、新たな基礎を施工。地下水位が高く、少し掘っただけで水が染み出す難しい条件の中でも、一つひとつ丁寧に補強を重ねました。さらに必要な場所へ耐力壁を設け、建物全体の耐震性能を高めています。(※注)
工事は約二年半に及びましたが、事業を続けながら少しずつ進めることで、建物も、そこで営まれる仕事も守ることができました。古い建物には、長い年月の中で育まれた価値があります。その価値を未来へ受け継ぐために、できる限り今あるものを生かしながら手を加えていくことも、muku建築舎が大切にしていることの一つです。
(※注)耐力壁の設置・耐震性能については、「耐震補強について」のページをご覧ください







臼井織布株式会社
三重県津市一身田大古曽67
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