自然の恵みを社会につなぐ場所
狩猟した鹿を、自ら解体・精肉し、地域の食材として一般販売したい。そんなカフェ MY HOUSE のオーナーの思いから、このジビエ加工・販売所の建設が始まりました。食肉として販売するためには法令に適合した施設が必要となるため、muku建築舎では衛生性と作業効率を両立できる建物を計画しました。
建設地はカフェ MY HOUSEの母屋裏の急斜面で、重機が入れない難しい場所でした。人力で斜面を切り開き、現地で採れた石から石積みの土留めをつくるなど、土地の条件を生かしながら基礎づくりを進めました。構造材には地元産のヒノキを使用し、できるだけ地域の素材で建てることも大切にしています。また、壁を大きく開放できる解体処理室や、100kg対応のレール式ウインチを設けることで、屋外で処理をした鹿を、そのまま衛生的に室内へ搬入できる仕組みを実現しました。
山あいの湿気が多い環境に合わせて、建物は地面から十分に離し、深い軒や水切れの良い縦張り外壁を採用しています。雨の日でも作業しやすく、長く安心して使い続けられるよう、一つひとつの納まりを丁寧に考えることを心掛けました。建主の新しい挑戦を支える、仕事場としての機能と、この土地ならではの知恵を生かした一棟です。









鈴原山肉店
三重県いなべ市北勢町新町1333
@suzuwarayamanikuten